第 九 回 瓔 珞 便 り (平成元年十二月十五日)
第九回の瓔珞便りをお届けいたします。指折り数えますと本会ももう10歳の年齢を経たことになります。微力な私達にも拘わらず、全員のご熱心なご支持によるものと正に感慨無量なものがございます。こんかいの葉書便りは今までの最高の数を頂きました。厚く御礼申し上げます。
前回のお便りの時には昭和でしたのに、今はもう平成二年を眼の前にしております。月日の経つのは早いといいますが、私達老齢といってよいもの達にとっては余り早く進まないで欲しいといううのが正直な所でしょうか。
本年の8月二十九日に原先生がご来札になりましたが、時日を予めお知らせ頂きましたのでご在札の会員の皆様に歓迎会のご連絡をしましたところ、病気その他止むを得ない方々が八十九歳の清水先生を筆頭に出席してくださいました。山元世話人と相談しましたときには五・六名でもよいじゃないかとの話でしたが意外な多数でしたので世話人としても大よろこびでした。二時間程の短い時間でしたが、原先生も大変お喜び下さいましたし、一同満足裡に参会したわけです。思えば会が発足してからはじめての会合になります。またこのような機会に恵まれることを一同口をあわせて希望した次第でした。
ただ、私にとって心を痛めましたのは、先生のご来札は義兄に当たられる伊藤信夫先生の病気見舞いのためだったことでした。信夫先生は原先生のご来札後一ヵ月足った九月二十八日にご逝去なさいました。ご存知の方もいられると思いますが、信夫先生は故伊藤誠哉先生(元学長・予科長)のご長男で若い頃から俊秀をうたわれた化学者でしたが、ご病気のため北大を退かれたと承っております。ここに謹んで弔意を表するものであります。
痛ましいことに、本年は三人の会員の先生方が他界されました。いずれも数学の先生で、、渡部信夫先生(一月二十七日)、稲垣武先生(3月十九日)及び井上弘先生(五月二十七日)のご三方であります。三先生の予科に与えられたご功績は絶大なものがあったことは多くの会員の方々のご承知の通りであります。何れの場合にも私達に強い衝撃をあたえましたが、ここに謹んでご冥福を祈る次第であります。
本年特筆すべきご慶事は清水栄長先生が九月に高齢者特別叙勲で勳三等旭日中綬章を頂いたことです。定期叙勲とちがって特別にお祝いする価値があると信じておりますが、先生自身も大変お喜びになっておりました。先生の奥様は先に勳六等宝冠章を受賞されておられる由で、私達心を合わせて先生にお祝いの意を表そうではありませんか。
「清水先生本当におめでとうございました。」
会員の先生方、何卒お身体を大切に長寿をかさねられんことをお祈り申し上げます。佐藤先生、吉田先生、小宮先生、有岡先生、三上先生、小松先生などのご全快の一日も早いことをお祈り申し上げます。
最後に、私事を申し上げるのはどうかと思いますが、実は昨年暮れから健康を損ないまして、今でも体にいろいろ不自由を感じております。そのため、この度の瓔珞会の仕事も殆ど山元先生お一人にお願い申し上げました次第で、快く引き受けてくださった同先生のご苦労に心底より感謝しておるしだいであります。来年は三人の世話人が一緒に仕事できることを切に希望しております。
平成元年十二月十五日 世話人代表 明 峯 俊 夫